2020年6月3日|音楽の授業の可能性

今日は朝からレッスンだった。彼は明日誕生日を迎えるらしい。

お母さんがものをこだわって大切に扱う人で、同じように彼は彼のピアノを大切にしており、大切だから練習しなくちゃという意識が根付いたようで、きちんと毎日1回は弾いてくる。

この時期の子どもたちを何人か見てきたが、彼なんかは頭の中のシナプスが繋がる瞬間が手に取るようにわかる。ああ、ここで繋がろうとしてるんだなとじわじわ来るときもあれば、え、このタイミングで?というバチっと繋がるときもある。人が変わったように、というと大げさに聞こえるが彼の場合はそうである。突然憑依するような感じだ。しかも、無意識に。だからそうならないときに彼はいらいらとするし、わたしも若干焦る。今日は最後の最後でつながらなかった。よっぽど悔しかったんだと思う。お母さんに泣きついていた。

手の記憶で彼はピアノを弾く。それだけじゃどこかで追いつかなくなる。だからこそ今簡単なソルフェージュで耳の記憶、歌の記憶を少しずつ身につけてくれれば…と思う。


お昼からは兄弟でやってきた。もともと歌うことの好きな弟で、新しく進んだバーナムも、右手、左手、と歌っていく。指先が器用な子なので指の進むルールをきちんと教えれば、良いスピードで成長できそうだ。

兄ちゃんの方は最近音階を始めた。Cdurの音階、そしてカデンツ。しっかりと弾きこんで手の感覚を身につけてほしいと思う。

兄ちゃんに聞いたら今、小学校は分散登校をやっていて、音楽の授業も一応あるが、歌も歌えなけりゃリコーダーも吹けないらしい。ずっと鑑賞、しかも合唱のお手本CDを聴くらしい。

わたしが先生だったら…どうするだろう。鑑賞しかできないんだったら、社会の授業とか、国語の授業とか、英語の授業と連携させて音楽を聴かせるかな。クラシック聴かせたところで早い段階で飽きるだろうから、もっとポップスや、いつもの授業では聴かせないようなジャズとかロックとかを、別の教科の時代の裏番組としての音楽文化を聴かせたいなと思う。そんなわけには、いかないだろうか。


夜は【クレモナ・トリオ】の練習だった。

最近は意識して、自分の解釈を言葉にして、メンバーに伝えるようにしている。的外れなこともあるかもしれないけれど、きちんと言葉にすることが大切な気がして。自分はどうしてここをこうしたいと思っているのか。本番ではお客さまには音楽でしか伝えられないから、なるべく多くのことが音楽で伝えられるように、メンバーとの共有はきちんと言葉で説明して、そこから120%表現できるように構築していきたい。


クレモナ音楽教室

大阪府 池田市にある、現役のプロフェッショナルのプレイヤーによる ピアノ・オカリナ・フルート・ファゴット・ホルンの音楽教室です。 「一生を通して、音楽を楽しむ方法」を一緒に学び育てていきます。 幼児から大人まで、幅広い年齢層の皆さんに、 「音楽を演奏するよろこび」を体感していただいております。 クラシックを基礎に様々な音楽ジャンルに対応できるような奏法や技術を指導しています。

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