2020年10月26日|交換ノート始めます!
わたしは小学校の頃交換ノートがめちゃくちゃ好きで、仲良くなった子に「交換ノートしようよ!」と声をかけていた。
その子の日常、好きなもの、嫌だったこと、感じたこと、くせ字、流行っていたラメやぷっくりしたカラーペン、シールにイラスト。色んなものをひっくるめて、一緒に共有することが好きだった。
(交換ノートは中学・高校と上がるにつれて可愛いメモ帳やルーズリーフを使った文通に変わり、大学になるとLINEになって、字を書くことは少なくなったし、それと同時に人とのつながりも希薄になってきた気がする。)
この度、【クレモナ音楽教室】のピアノの生徒さんと「交換ノート」をすることに決めた。
レッスンでわたしが感じたこと、良かったこと、もう少しのこと、どうしたら出来ないことを出来るに変えられるかのアドバイス等、その場その場では浮かんでは消えてしまうアイデアや言葉を書き留めて伝えることが必要な段階に来ているように感じていたからだ。
コロナで今年は発表会を開催できなかった。本番の舞台で、お客さまの前で演奏する、ということがどれだけわたしたちの区切りになっていたか今更ながら実感していて、ステージでもらう拍手にはかないっこないんだけど、彼らに毎回のレッスンで少しでも「自分の進歩」を感じてもらいたいと思っている。だからこのノートには今の現状や少しの変化をなるべく詳しく、率直に書き留めていきたいと思う。
そして、わたしは宿題を出したくない主義だったのだが、「課題」というかたちではなく「おうちワーク」というかたちで、練習が必要な子は簡単な練習を(無理のない範囲で)、色々なものを感じてほしい子にはそのお題を(今週一番美味しかったもの、とか、今週かいだ匂いで一番いい匂いだったものとか)出してノートに書き留めてきてもらう。
上級生には、練習でわからないことや、ピアノや音楽のことで聞きたいことを書いてきてねと伝えた。
生活の先に音楽があって、それを表現する媒体として「自分はピアノが弾ける」というのを実感してもらいたいと思っている。
「恋愛をしないと音楽がわからない」とか「音楽家は痛みが音色になる」とか、意味不明でそういうのわたしは大っ嫌いなんだけど、音楽は常に生活とともにあるし、音楽が生活のたすけになることがこの先たくさんあると思う。
そして、このSNSが発達してみんな同じレイアウトの同じフォーマットの画面で発信していくペーパーレスの現代で、彼らにとって「ノートに書く、読む、のこす」という作業がどこかで必要になる気がして。読んで成長を実感したり、書くために考える、書いて考えることが楽しいと思えるようなきっかけになればと考えている。
ノートの内容も、それぞれによってどんどんとアップデートされていくだろうし、その変化をわたしは楽しみにしていて、それはきっとピアノの演奏にも顕れてくるだろうと思う。
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